Wiseとは
Wise(ワイズ、旧称:TransferWise)は、ロンドンに本拠を置くフィンテック企業が提供する国際送金・マルチカレンシー口座サービスです。 銀行間取引レート(ミッドマーケットレート)をそのまま適用し、隠れた為替手数料なしで海外送金を行える点が最大の特徴です。 世界160か国以上で利用可能で、2026年現在の登録ユーザーは1,600万人超にのぼります。
Wiseの歴史
創業のきっかけは、エストニア出身の2人の原体験でした。 クリスト・カーマン(Kristo Käärmann)はロンドンのコンサルタントとして働きながら、ポンドをエストニアへ送金するたびに銀行が為替レートに5%も上乗せしていることに気づきました。 共同創業者のターヴェット・ヒンリクス(Taavet Hinrikus、Skype最初の社員)は逆方向で同じ問題を抱えていました。 2人はお互いの通貨をミッドマーケットレートで交換し合うことでコストをゼロにできると発見し、それをサービス化する決断をします。
- 2011年TransferWiseとして創業(ロンドン)。Richard BransonやPayPal共同創業者Max Levchinなどが出資。
- 2012年英国金融当局(FCA)から最終認可。初年度の送金額は1,000万ユーロ。
- 2016年日本でサービス開始。関東財務局に資金移動業者(第二種)として登録(登録番号:関東財務局長 第00040号)。
- 2017年創業6年で営業黒字化。月間送金額10億ポンドを突破。マルチカレンシー口座(ボーダレス口座)を欧州向けに開始。
- 2018年年間純利益800万ドル。デビットカード発行開始。月間送金400万人超・40億ドル超。
- 2019年企業価値35億米ドル(セカンダリー投資2億9,200万ドル)。
- 2021年2月社名を「Wise」に変更。単純送金から国際金融プラットフォームへの転換を宣言。
- 2021年7月ロンドン証券取引所に直接上場(IPO不実施・ダイレクトリスティング)。時価総額79億ポンド(約1兆2,100億円)。
- 2021年1月日本でWiseデビットカードの取り扱い開始。
- 2024年日本で「第一種資金移動業者」の免許を追加取得。1回の送金上限が100万円から最大1億5,000万円に拡大。
- 2026年タイ現地法人(Wise Payments Thailand Limited)への移行をアナウンス。2026年8月3日より段階適用。
現在の規模と機能
2023年前半(6カ月)だけで送金取扱量570億ポンド(約10兆円)、収益6億5,600万ポンド(約1,200億円)を記録。 時価総額はロンドン証券取引所52位の約1兆6,000億円に達します(2023年12月末時点)。
主なサービス
- Wise:個人向け。50以上の通貨を保有・送受金できるマルチカレンシー口座+デビットカード。
- Wise Business:法人向け。会計ソフト連携・一括送金・マルチユーザーアクセスなどを追加。
- Wise Platform:銀行・フィンテック向けAPI。Monzo・GoCardless等が採用。
日本での制限(2026年現在)
- Wiseアカウント内の残高保有上限は100万円(全通貨合計の日本円換算)。
- 残高から直接送金する場合の上限も100万円(第二種送金)。
- 銀行口座から直接Wiseを経由して送金する場合は最大1億5,000万円(第一種送金)。
- 残高が100万円を超えた場合は30日以内に余剰金用口座への自動送金設定が必要。
タイでの規制強化(2026年)
変更内容まとめ
| 項目 | 変更後の扱い | 評価 |
|---|---|---|
| タイ銀行口座→海外送金 | アプリから直接バーツで海外送金が可能に(ミッドマーケットレート適用) | ◎ メリット |
| PromptPay(QR決済) | Wiseアプリ内でThaiQR/PromptPayのスキャン払いが可能に | ◎ メリット |
| デビットカード発行 | 物理カード・デジタルカードともにタイアカウントでも発行可能に | ○ メリット |
| タイ国内ATM引き出し | タイ国内ATMでのWiseカード現金引き出しが不可に(海外ATMは引き続き可) | × デメリット |
| 外貨(バーツ以外)の保有 | 他通貨を受け取った場合、自動でバーツに強制換算(レートのタイミング選択不可) | × デメリット |
| 国外口座間の送金 | タイ口座を経由するため2回両替が発生し、手数料が増加する場合あり | △ 注意 |
| 利息付きファンド・株式 | タイでの提供を終了。保有資産はすべて売却しキャッシュで返却。 | × デメリット |
| 送金上限(日次) | 当初1日30,000THBまで(利用状況に応じ引き上げ可) | △ 注意 |
KYC(本人確認)の追加要件
- 2026年6月頃、タイ中央銀行の規制要件に沿った追加確認書類の提出を求めるメールが届く予定。
- DTV(Destination Thailand Visa)・EDビザ(教育ビザ)などのノンイミグラントビザも確認書類として受け付け。
- 2026年1月21日以降にタイでWiseを登録したユーザーは2026年6月までに変更が適用。
- 2026年1月21日より前の登録ユーザーは2026年8月3日から適用。
タイへの送金(日本アカウントから)の制限
2022年1月7日から、5万バーツ以上の送金はカシコン銀行・バンコク銀行・サイアムコマーシャル銀行の3行宛てのみに制限されています。 5万バーツ未満の送金は対象銀行の制限なし。また現在タイ・バーツからの送金(タイ→日本)はWiseでは対応していません。
2025年5月6日より、タイの決済システムのアップグレードにより一部銀行が送金の受け取り対象外となっています(最新情報はWise公式ヘルプを参照)。
Wise公式メール全文(2026年)
Wiseからタイアカウントの登録ユーザーに送付された公式通知メールの内容です。
お客様のWiseアカウントの機能に一部変更があります。
2026年8月3日から、お客様の利用規約が Wise Payments Limitedから Wise Payments (Thailand) Limitedに変更となります。
これにより、お客様のWiseアカウントでの送金、受け取り、および資金の保有はタイの規制に準拠し、 タイ中央銀行の監督下に置かれます。その結果、サービス内容の一部が以下の通り変更されます。
送金
タイ国外の銀行口座間(例:アメリカからシンガポールなど)での送金は、お客様のタイの口座を経由する必要があります。 この際、2回の両替(タイ・バーツへの両替、および受取通貨への両替)が発生するため、送金手数料の合計金額が増加します。
タイの銀行口座から直接、海外送金ができるようになります。Google検索で見られるような、隠れコストのない為替レート(ミッドマーケットレート)が適用されます。
受け取りおよび資金の保有
タイ・バーツ以外の通貨を、タイ以外の国の銀行口座へ払い出すことはできなくなります。 タイ・バーツ以外の通貨を受け取った場合、自動的にタイ・バーツへ両替され、THBの残高に追加されます(所定の両替手数料がかかります)。
一方で、タイ国内または海外の銀行口座からWiseアカウントへ入金し、40種類以上の通貨で残高を保有・両替することは引き続き可能です。
Wiseデビットカードおよび資金の利用
タイ国内のATMでの現金引き出しはご利用いただけなくなります。ただし、店舗での決済や海外のATMでの現金引き出しには、引き続きWiseデビットカードをご利用いただけます。
実際のカードまたはデジタルカードを注文して、オンラインや海外で、隠れコストのない為替レートでショッピングが楽しめます。 また、アプリでThaiQRやPromptPayのQRコードをスキャンして、個人や店舗への支払いも可能です。
利息付きファンドおよび株式
タイでの利息付きファンドおよび株式の提供を終了いたします。現在保有されている資産はすべて売却され、決済代金はお客様のWiseアカウントへ現金として入金されます。 これに伴い納税義務が発生する可能性があるため、詳細については税務の専門家にご相談ください。
今後の対応について
2026年6月以降、タイの規制要件を満たすための追加書類の提出をお願いする予定です。 詳細は時期が近づきましたら改めてご案内いたします。それまでは、現在と同じようにWiseアカウントをご利用いただけます。
2026年8月3日以降も継続してWiseを利用される場合、新しい利用規約に同意したものとみなされます。 同意いただけない場合は、2026年8月3日までにWiseアカウントの閉鎖、または該当するサービスの利用を停止してください。
利用規約:https://wise.com/th/legal/personal-terms-of-use
海外に移住される場合
新しい国へ移住された場合、住所の更新をお願いいたします。これにより、お住まいの国に基づいた機能をご利用いただけるようになります。
Wiseチーム