岡野雅海
今回は番外編として魚屋の生活を紹介させていただきます。
私どものような零細な魚屋は、量より品質、品揃え、新商品開発、が命です。
その為、買い付けをする地域も東はトラッド、チョンブリ、ラヨン、サタヒップ、シラチャと東海岸一帯に及びます。
それぞれの地に大小の港、漁村が点在し、大型魚から貝、エビ、カニとその地特有の魚を水揚げします。
漁港での水揚げ時間は早朝、夕方に分かれ、天候に大きく左右されながらも、朝入港、午後入港が基本となります。
この他に漁村の小舟はお天気次第。
その時々で帰る時間が2~3時間変わります。
新鮮な魚はこの小舟が一番ですが、天候に左右され、安定性が悪く、しばしば休漁となります。
現在、私どもで取り扱っているものは、魚45種、イカ3種、貝5種、エビ2種の57種類に及び、常時注文の入るものでも30種にもなります。
この広大な産地と30種以上の魚介類の買い付けはこんなふうに行われています。
配達日が日曜日・水曜日・金曜日の週3回なので、月曜日を除いて寝る間も無い程の労働時間なのです。
好きでなければできません。
とにかく新鮮な魚をお届けしたい、その一心で始めたことですが、疲労のあまり不機嫌になりがちで、しばしば相棒とケンカになりますが、これも職業病とあきらめています。
この忙しい中で新しい商品を収めていくわけですが、商品情報を他の業者に教える店があったりして、ひどく腐らせてくれます。 特にタイ人の板前にその傾向が強く、店の店主(日本人)に”ソッと教えてゴマをする”ようです。
こんな店には配達を中止したいのですが、そうもいかないのが悩みです。 いつまで続けられるやら。
●著者 : 岡野 雅海 (おかの まさみ)●
海と水の専門家としてバンセンの水族館建設に関わる。 海、魚好きが高じ、現在は在タイ日本料理店向けの魚を専門に扱う卸業に従事。 そのかたわら、海と魚の研究を続ける。
| 第一回 シャム湾 |
第二回 鮪(まぐろ) |
第三回 鰹(かつお) |
第四回 ハモ |
| 第五回 スズキ |
第六回 タチウオ |
第七回 タカベ |
第八回 イサキ |
| 第九回 岩ガキ |
第十回 カマス |
第十一回 イワシ |
第十二回 アオリイカ |
| 第十三回 シイラ |
第十四回 ボラ |
第十五回 熊エビ |
第十六回 鯛 |
| 第十七回 鰆(サワラ) |
第十八回 鯖(サバ) |
第十九回 魚屋の生活 |
第二十回 ソコイトヨリ 鬼サザエ ![]() |