岡野雅海
町にジングルベルが流れクリスマスが近づくと、朝晩がメッキリ冷え込んで、これでタイランド? と思うほど快適な気候になります。
海上は穏やかな漁日和が続き、年越しの物入りに備え船の衆も一段と仕事に身が入ります。
この頃から銀青に光る一際大振りな魚体を持つ鰆(さわら)が登場します。
・・・・・日本ですとこんな感じで良いのですが、タイランド、特別にこの頃から登場するわけでもなく、登場しっぱなし・・・・の感があって、どうも締らない。
6月に鰆の卵を売っている。
大体産卵前の荒食いが旬にほぼ等しいはずだが、冬まで生みっ放しなのか、根気の良いヤツだ。
人間にもいるね、こういう人。 太腹鰆。
イカ船。 沖へ出て2時間。 エサのイカ漁が続いている。 夜9時。 いよいよ鰆釣り開始。 各人思い思いの道具立てで糸を垂れる。
底を2mほど切って当りを待つ。 タバコ吸いはここで一ぷく.........(-。-)y-o0O.....
となるがそりゃまずい。
底を切った瞬間に”ガツン”と来ることが良く有る。
5分ほど待ってやおらイップク、がよろしい。
鰆の当たり、強烈なんてもんじゃない。ガツと来たと思った時には道糸が真横になっている。 この道糸の走りを止めるためにも、30号以上が必要。 道糸が細いと確実に手が切れる。 5kgを越えたら、もう大騒ぎ。 一人であげられたらその人は一人前。
あんたは揚げられる?
私・・・ん。 船頭任せヨ。 バラシたらもったいないもの。
釣りあげた鰆はすぐに締め、血抜きをすると食味も格段によろしい。味噌漬けの鰆しか食べたことない人にはわかりません。 すぐに特大ビニール袋に入れ、空気をしっかり抜いて、氷タップリのクーラーBOXヘ収めれば完璧。
さて、お料理。 お刺身です。 これ以外で食べる人は田舎者。
何っ、鰆の刺身食べたことない? 不幸な人だ。 心からオクヤミ申し上げます。
食べ切れない時は塩をふって、一晩風通しの良いところで干し、冷凍。 これも美味しい。
どうやって食べるかって?
そりゃあ味噌漬けだね。 お正月に。
●著者 : 岡野 雅海 (おかの まさみ)●
海と水の専門家としてバンセンの水族館建設に関わる。 海、魚好きが高じ、現在は在タイ日本料理店向けの魚を専門に扱う卸業に従事。 そのかたわら、海と魚の研究を続ける。
| 第一回 シャム湾 |
第二回 鮪(まぐろ) |
第三回 鰹(かつお) |
第四回 ハモ |
| 第五回 スズキ |
第六回 タチウオ |
第七回 タカベ |
第八回 イサキ |
| 第九回 岩ガキ |
第十回 カマス |
第十一回 イワシ |
第十二回 アオリイカ |
| 第十三回 シイラ |
第十四回 ボラ |
第十五回 熊エビ |
第十六回 鯛 |
| 第十七回 鰆(サワラ) |
第十八回 鯖(サバ) |
第十九回 魚屋の生活 |
第二十回 ソコイトヨリ 鬼サザエ ![]() |