タイ東海岸ラヨン県。 沖合にサメット島を臨む港町バンペーは、サメット島観光客をあてこんだ、海産物を売る店がズラッと並んでいる。 町は海岸線沿いの一本道の両側にあるだけで、奥行きはない。 ラヨン方面から来ると「バンペー」の案内板がある三叉路を右折。 突き当たりから左(東側)に町が広がる。 この突き当たりの左側に“イカ焼きを売る店が何軒かある。
「それなあに」
「ムックカイ」
見慣れぬ、白いブヨブヨした感じのものが串に刺されて焼かれている。
“ムックカイ。 イカの卵。 本当かねえ。
「一本ちょうだい」
ねっとりとした歯触り、濃厚な味。
「もう一本」
やはりハッキリとしない。 そんな私の顔を見ていたバアさん。 これも旨いと差し出したのがイカの串焼き。
タイ語では“ムックカイヤーン。
ホッ。 この方がうまい。 イカの胴の中にイカの卵が入っていて、甘辛いタレが付いている。 何か日本の夜店のテッポー焼きに似ているが、こちらの方が味がある。
「うまい」
チョンブリの東、アンシラ漁港の入り口のシーフード。 案内役はタイ人。 会話は日本語。 出てきた料理が中華海鮮。 “ムック・カイトムソム。 子持イカの酢煮。 香港・マカオの中華海鮮では割合ポピュラーな料理だそうです。
魚の形のアルミの皿の上に大振りの子持イカが一匹デンと寝ている。
「熱いうちが美味しい」
すすめられるままに一口。
「美味しい」
子持イカ。 日本では全く知らなかったイカです。
「先生、今日は子持イカですが」
「ムックカイね」
「タイ料理では美味しくいただけるのですが、日本料理の素材としてはどんなもんでしょうか」
「ウーン、どうするか」
珍しく先生、返事に詰まる。 後日.........。
「どうなりました、アレ」
「何とかね」
墨袋、目、口を取り水洗い。
⊕ 胴には入っている卵を潰さないようにする。
「先生、今回はチョット迫力が.....」
「日本にない素材だからね。 もう一度チャレンジしてみるよ」
素材提供者としては、日本料理でどう使うか、これも楽しみの一つ。
けして、イジメじゃあない。
「もっとやれ」って。
じゃ、またやってみるか。
●岡野 雅海 (おかの まさみ)●
海と水の専門家としてバンセンの水族館建設に関わる。 海、魚好きが高じ、現在は在タイ日本料理店向けの魚を専門に扱う卸業に従事。 そのかたわら、海と魚の研究を続ける。
※取材協力・・・・日本料理店「みまた」 三俣哲士 氏
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